西尾佳菜のウイーンのドレミファ空から

 
     
 

●西尾さんが2009年2月よりー欧へ旅立ちました。
引続き近況を報告してくれます。

   
         
         

桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業
JPFコンクール、日本クラシック音楽コンクールなど数々のコンクールにて受賞
八十二銀行ロビーコンサート、ヤマハ音楽教室発表会のゲスト演奏、アスペン音楽祭への参加
また、ASA仙川主催 [おむすびフェスタ]でのソロリサイタル
長野県朝日会北信ブロック会主催朝日新聞感謝キャンペーンでは長野県県民文化会館
新潟市内のASA共同主催の読者感謝キャンペーンでは
新潟県民文化会館及び新潟市音楽文化会館において
ソロリサイタルを行うなど、国内での演奏活動の他
イタリア・ピエデルーコ国際音楽祭での演奏など、海外でも演奏活動を行い、好評を博す
また5月には日本人ピアニストとして初めてイタリアのAuditorium alDuomoにてソロリサイタル予定
最近は鈴木咲智子氏とのピアノデュオとしても活動し、CDも発売中

             
                       
     

2010.02
先日私の生徒の今年最後のピアノコンクールが終了しました♪幸いにも皆、受賞の栄誉に預かり、生徒、そのご両親、そして何よ
り私もほっと一息ついたところです。ピアノコンクールは、会場には審査員と弾き手の関係者だけが見守る中、たんたんと演奏が
進められていくという独特な空気の中で行われるものです。そんな極度の緊張感の中、一仕事終えた子供たちは、皆一様に一人で
見事戦い抜いた満足感からか、自信に漲る表情を見せてくれます。「先生は緊張しないの?」と生徒によく聞かれます。とんでも
ない。私も毎回どんな小さな演奏会でも緊張します。そんな時に自分を支えてくれるのは、今まで積み重ねてきた「練習」以外の
何者でもありません。そうして一度鍵盤に向かうと、あとは自分と、音楽と向き合うだけです。そうして自分の指が奏でる音を通
じて聴衆と一体となる恍惚感が私を包み込むのです。ステージを降りる生徒たちの表情に、この恍惚感を見出したとき、その成長
に、私は教える立場としての喜びを感じました♪


2010.01
「先生、コンクールの1週間前にスキーの合宿に行きたいと子供が言うんですが。行ってもいいでしょうか?」先日生徒の親御さん
にそう聞かれました。「いいんじゃないですか?行きたければ。」私の返答に親御さんは少し驚いた様子でした。その質問を受けて、
最近考えていることが頭をよぎりました。それは、「時間だけはどんな人にも平等に与えられる」ということです。その平等な時間、
限られた時間をどのように過ごすかが個人の選択であって、その選択によって未来が作られていくのだと。今の自分は全て、自分が
選択してきた結果なのだということです。そう、例えば自分が食べたものによって、自分の今の体が作られているのと同じように。
そう考えると、自分は何を求めて、今何をしているのか、全てのことに意味があるのだと思うようになりました。
「コンクールで賞を取りたい」というのも「スキー合宿に行きたい」というのもその生徒さんの想いでしょう。そのどちらを選ぶに
しても、それは本人の選択であるべきだと私は思うのです。そうすることによって、誰の人生でもなく、自分の人生を後悔すること
なく生きていくことができるのではないか、と思います。
選択の結果であれば、きっと我慢したことは「我慢」ではなくなるのではないかな。

2009.10
先日、「美術史博物館」に行ってきました。「ウィーンで美術館をひとつだけみるなら迷わずここへ」とまで言われているところ
です。かの有名な「バベルの塔」や、リストが「亡き王女のためのパバーヌ」を作曲するにあたってインスピレーションを受けた
とされる絵画、「青いドレスのマルガリータ」などが展示されています。美術館は不思議なところ。誰のペースに合わせるでもな
く、静寂の中、一人で絵画を眺めていると、その絵の世界にふっと自分が入り込んでいくような感じを受けます。光に満ち溢れた
その絵の中の闇、書かれた人物のその視線。技法なんていうものは全くわからないけれど。何もわからなくても、ただそこに在る
だけで人の心を震わせることができる。芸術は全ての壁を超えるものなのだと、心をビリビリさせられて帰ってきました。行かれ
る時はぜひ、1日かけてゆっくりご鑑賞されることを私はお勧めします♪


2009.09
突然ですが一時帰国いたしました♪久しぶりに、「外国人」としてでなく、「自国人」として暮らす日々を送っています。自分の
国で暮らすという安心感は僅かながら海外で暮らした後では格別ですね。オーストリアは、以前のEU拡大に伴い、東欧州等から
の移民受入れに寛容だったこともあって、ヨーロッパでは比較的外国人に対して友好的で、しかも治安もよく、暮らしやすい国だ
と言われています。(カトリックの国なので、平日は18時にお店が閉まり、日曜も休店日なので、多少お買い物の不自由さは否め
ませんが…) いきなり「アナタハ日本人デスカ? 日本ダイ好キデス。ワタシカラテナラッテイマス。『ブ・シ・ド・ウ』
スバラシイ♪」なんて声をかけてくる人もいたほどです。それでも、やはり外国人特にアジア人全般に対する見方に違和感を覚え
ることはありました。言葉や地理や習慣など、何もかも慣れない環境の中で、「なにくそ!」と自らを奮い立たせ日々緊張感を
もってすごしてきたような自分にとって、自分の国での生活というのはこれほど精神的に違うのか、と感じています。離れていた
らからこそわかる日本の素晴らしさ、それによって育まれる愛国心というものもあるのかもしれない、なんてことを思っている今
日この頃です。

2009.07
先日、シェーンブルン宮殿で、ウィーンフィルハーモニーの無料コンサートがありました。普段チケットがなかなか入手できない
ウィーンフィルの演奏を聴けるチャンス!とばかりにウキウキしながら会場へ。寒さにもかかわらず、会場には大勢の人々。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」から始まり、シュトラウスのワルツで終わったのですが、シュトラウスが
演奏されると会場のいたるところでダンスが始まります。ダンスパーティーが毎夜開かれる、「これぞウィーン」というものを見
たきがしました。指揮者兼ピアニストはあの世界的有名な、バレンボイム。彼は偉大な音楽家であると同時に、中東和平の推進に
尽力されています。オバマ大統領など、要人が招待されているそのコンサートでも、最後は彼の平和を願うメッセージでしめくく
られました。芸術は、全てを越えて架け橋をつくることができるのかもしれませんね。

2009.06
作曲家ハイドンが息を引き取るまで過ごした家、「ハイドンハウス」が私が住むところから歩いていける距離にある。
「お天気もいいし、お散歩がてら行ってみましょ♪」と、訪れたハイドンハウス。まずとてもかわいらしい素敵なお庭。
中に入ると当時のこのあたりの風景画だったり、地図が飾られている。そこに数枚の肖像画があった。「ん?誰?」いや、ハイドン
ハウスなんだからハイドンだろうと思うのだが、いつも見ているハイドン画とはどうも違う。大通りにドンと立っている彼の像とも
違う…。が!説明には「ハイドン肖像画」と書かれているのだ。「ふ、普通のおじさん…」あぁ、まずこんな感想なのが情けない。
(たくさんの想いはここではとても語りつくせないのだが)ブラームスも後に住んだその家には彼の肖像画もまたある。「あぁ素敵。
その眼差しの先には誰がいるの?誰を見つめているのかしら」と、ブラームスの肖像画を見て思ってしまった私。それでも今年は
ハイドン没後200周年。機会がある方はぜひ♪

2009.05
Wienにも春が来ました♪太陽もようやくその姿を見せてくれます。日本のように少しずつではなくて、「待ってました!」といわんば
かりに一晩のうちに緑が出て、花が咲きます。本当に長い冬が明けて、この春が来るのをみんなが待っていたみたい。昨日までコート
だった人々も次の日にはキャミソール。「おいおい、その中間は?」って思うけれど、きっとそれだけこの季節が特別で、この青い空
を待ち望んでいたのね、って思います。(それでも「こちらの人の皮膚は日本人とは違うのよ。あまり寒いとは感じないんですって。
暑さには弱いらしいけれど」とききました。本当かしら?)お散歩もとても気持ちがいい。電車に乗って○○行って・・・じゃ何にも
わからないから、私はよく歩いています。王宮の庭で本読んだり、カフェに入ってみたり。そう、復活祭があったので、市もたくさん
出ていて。それを覗いたり、そこで食事したりするのもとっても楽しい。街が、人がみんなが春を喜んでいます。ここにいると、モーツ
アルトや他の作曲家が春を待ち望む曲、春の曲を作るのがよくわかってしまう。鳥たちも本当におしゃべり。まるでアリアを歌っている
かのよう。私も今はこのWienの春を満喫しています♪

2009.04
ウィーンにて。先日はオペラ座に行ってきました。オペラ座はやはりとても美しくて。友人に誘われてなんと立ち見に挑戦!
これまたなんと3ユーロ!パン1つでさえ2ユーロくらいだから、3ユーロの席ってやっぱりすごい! しかもちゃんと座ってみる席でさえ
立たないと見えない席がある中で、立ち見って意外といい場所だったり。世界レベルの音楽やバレエがそんな値段から観れるってすごい
ことよね。 (ちなみにジゼルを観ました。)日本は消防法の関係とかでできないというけれど、すべての人がそんな風に気軽にを楽しめ
るようになれば、日本でももっと芸術も身近なものになるだろうし、お勉強する人にとってもいいと思うんだけどな。いい芸術に触れる
ことは間違いなく自分のキャパシティを広げてくれること、受け入れる器を大きくしてくれると思うから。ウィーンにきて、私はいろん
なチャンスを神様からもらっている気がする。どんなに苦労しても、それは間違いなく成長するために与えてもらっているチャンス。
楽しむぞ♪

2009.02
この度、渡欧が決りました!本当に突然ですが、自分がずっと教わりたかった方に弟子にとっていただけることが決まったのです。演奏
会を重ねる度、自分の力が伸びているのを感じると同時に未熟さも感じていました。演奏できる場をいただけることは本当に嬉しいし、
生徒はかわいいし、生活もなんとか安定しているのに。残していくものは本当に大きいけれど、それよりも勉強したい、という想いが強
く、今回留学を決意しました。知ってる人が誰もいないのも、文化が違うのも、言葉が違うのも、全部大変な事だと思う。でも、普段は
なかなか経験できないことだから。楽しんで苦労してきたいです。勉強ができることに感謝して!
●引続き欧の地より近況を報告してくれます。

2009.01
先日、養護学校でボランティア演奏を行ってきた。最近、音楽療法の方面にも興味を持って勉強し始めていた自分にとって、音楽療法と
クラシック演奏を混ぜた今回の演奏はとても楽しく、大切な経験だった。「他者から望まれる自分ではなく、本当に自分自身が求めるこ
とっていうのはなんだろう」と、悩んでいたことがあったけれど、やはり生徒さんが楽しんで、喜んでくれるのはとても嬉しい。
「嬉しい」と感じる、ただそれだけでいいのかもしれない。よく、「人のためになる仕事がしたい」という言葉を聞くけれど、その意味
が少しわかった気がした。私が本当に楽しいと思うのは、自分が本当に求める音楽に近づけたときだけれど、それを聴いて喜んでくれる
人がいるのであれば、それほど幸せなことはないのかもしれない。

2008年はこちら

                       
 
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