仙川このまち通信A    
仙川町在住 : 濱田さん



▼2011年10月号

「調布カレンダー」を愛用しています。
10月は、中川平一さんの描く《仙川2丁目の川口家》の水彩画です。
崖線から銀色のすすきがたなびいて、藁葺き屋根の上の鰯雲に映えています。
町を歩くと金木犀の香りとともに、運動会の空の色を思い出します。
農園の畔に立つ彼岸花の朱色に、他界した祖母や叔母の面影を思い出します。

季節ごとの花々のうつろいに出会う度に、遠い日の出来事や、
在りし日の大切な人との思い出がよみがえって、
日々の暮らしに彩りを与えてくれます。

メーテルリンクの『青い鳥』で、チルチルとミチルが亡くなった人の国に行き、
大好きなおじいちゃん、おばあちゃんと会った時、
「会いたいときには私たちのことを思い出してくれるだけで、
いつだってあなたたちの傍にいけるよ。」と、教えてもらいます。

一輪の花に宇宙の神秘を感じつつ、
秋の日の散歩は長〜いタイムトリップとなったのでした。



▼2011年9月号

実篤公園には、竹林を背景にした武者小路実篤先生の胸像がございます。
端整なお口元と丸眼鏡の奥の温かな眼差しに父親の気風を感じておりました。

ある時、実篤記念館にある安子夫人の描かれたスケッチ画に、
大きな布団の中で娘たちを腕枕して眠る先生の父親姿を発見しました。
一気に学生時代に読み親しんだ作者の姿に血が通い、
家族の愛にあふれる暮らしに包まれた様子を思い浮かべ、
今一度蔵書を取り出し人生の師から教えを受けたくなりました。

帰り道、幸運なことに書店で末娘の辰子さんの「ほくろの呼び鈴・父実篤回想」に出会い、
日常の折々の出来事や、晩年仙川の家での最期の時までを拝読したら、
ますます仙川の街で目にする「かぼちゃ」の画にも力を感じるようになりました。

実篤ご夫妻が、皆のよろこべる仕事を考えて生きてゆきたいと願って
移り住まれた仙川に暮らせることを、誇りに思います。



▼2011年8月号

あたらしい建物ができて、ここは前はなんだったかなぁ?と思った時には、
神代書店さんで購入した「せんがわ21−写真集(2001年新春発行)」を開きます。

仙川に牧場があって牛やヤギが飼われていたこと、
昭和30年頃の四中・若葉小付近が見渡す限り水田だった様子など。
仙川住民の方提供のセピア色の美しい写真を見ていると、
街のつくりは変わっても、暮らす人の想いは変わらないと実感します。

この街に越してきて実篤公園の坂上から初めて富士山を見た時のうれしさは、
押していたベビーカーの重さとともに思い出されます。
甲州街道の坂道を自転車でゆっくり下りながら、
若葉の森の上に浮かぶおおきな満月に照らされることも小さな幸せです。

崖線辺りでは縄文土器が出土すること、糟嶺神社が古墳だったことなどを知りました。
遠い歴史の果てからこのまちに人間が育まれてきたことに感謝しながら
9月12日、月を愛でたいと思います。



▼2011年7月号

暑さも一入。もうすぐ“おらほ”です。
おらほの夏まつりとともに、ご先祖をお迎えするお盆でもあります。

このまちのお盆に欠かせないものに『地粉うどん』があります。
この頃は「武蔵野うどん」の名称で人気の地元産の粉でこねた淡い灰色の腰のある麺を、
胡瓜と茄子の馬の腰に結んでご先祖様をお迎えします。

その昔、みずほ銀行の向い辺りに在った製麺所で地元の人が
自家製の粉を持ち込んで打ってもらった“おらほ”のうどんが、
今はつつじヶ丘駅東の踏切り前「石坂製麺所」に有ります。
お盆や暮れだけでなく、十二節句の晦日(前夜)にも
『うどん』を食べて邪気払いをする風習があるそうです。

年越しそばには行列のできるお店ですが、
ほのかに甘くて懐かしい味わいの『地粉うどん』に下ろし生姜をたっぷり添えて、
この夏の暑気払いはいかがでしょう。
(注)「石坂製麺所」は製麺の販売のみで食事はできません。



▼2011年6月号

毎月一回、京王沿線ウォーキングに参加しています。
当日朝にどなたでもスタート駅にて受付でき、
10km少々の地図のコース表示に従って歩けば、
3時間程度で完歩を目指すことができます。

2011年は沿線の城址を訪ねるコースで、
初回は飛田給駅〜野川公園〜国立三鷹天文台を見学し、
深大寺城址を廻り京王多摩川駅まで歩きました。

同行の友人は3.11震災の夜、帰宅難民となった都心からの帰途も、
毎月の趣味のウォーキングのおかげで無事に歩けたそうです。

仙川商店街通りを北に抜けたところにある、甲州街道沿いのセブンイレブン脇に
『仙川一里塚跡』の碑があります。
日本橋から五里(20km)の地点で、往時は高さ一丈(3m)の塚で榎の大木があったとか。
江戸時代の景色に思いを馳せながら甲州街道を歩いてみるのも一興かもしれませんね。



▼2011年5月号

はじめまして。今回よりコラムを担当させて頂きます、仙川町の濱田真由美と申します。
日常の風景をおむすびファンのみなさまと共有させていただければ幸いです。
よろしくおねがいいたします。

五月半ばも過ぎて、仙川駅に降り立つ新入学生のみなさんも街に馴染んできた頃ですね。
甲州街道の商店街口から徒歩5分ほど北にある、市立第八中学校の制服が
この春リニューアルされました。校章エンブレムのついたブレザーに、
チェックのスカート&スラックスの生徒さんたちを毎朝お見掛けします。

茄紺色のブレザースーツに赤いネクタイ姿の制服も、創立の34年前には
随分モダンな印象であったろうと想像されますが、
ニューモデルのいささか大人っぽい制服に身を包んだ生徒さんたちも、
充実した中学三年間を送られますことを願っております。

             
 
 
    ©asasengawa.All Rights Reserved.